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四大スター競演 大映創立第一回作品 「維新の曲」 1

「大映」創立70周年
創立記念第一回作品は 牛原虚彦監督作品 「維新の曲」・・・・<1>

維新の曲四大スターと虚彦監督


「日活」創立100周年に続き、「大映」が創立70周年を迎える。

大映創立の背景には、第二次世界大戦という重大な状況が背景にあった。

そして、その記念すべき創立第一回作品が牛原虚彦監督による、幕末を描いた「維新の曲」であった。

「維新の曲」

<監督> 牛原 虚彦
<脚本> 八尋 不二 <撮影> 三木 滋人 <音楽> 佐野 顕雄 <剣道> 大野 熊雄
<出演> 阪東 妻三郎 市川 右太衛門 片岡 千恵蔵 嵐 寛寿郎 沢村 国太郎 ほか
<製作年>1942年/製作国:日本 モノクロ/1時間54分/12巻/3112m/スタンダード/モノラル

以下は「虚彦映画譜50年」(1967年刊)からの抜粋。
「大映」誕生の背景から創立記念作品「維新の曲」が生まれる背景が記されている。

昭和17年
「維新の曲」

それまで十社あった劇映画会社が、松竹(松竹、興亜)、東宝(東宝、大宝、東京発声、南旺、宝塚)、大映(日活、新興、大都)の三社に統合と決定したのは、昭和十六年九月下旬のことであったが、実際的に各社の合流を終わるまでには約三カ月の時日が経過した。

その間、十二月初旬には、対英米開戦という重大な国際情勢の変化もあり、大日本映画製作株式会社(後に大映株式会社と改称)が正式に発足したのは、あけて十七年一月のことであった。大映創立にいたる間は、現大映社長永田雅一氏の献身的な努力は筆舌に尽くしがたいものがあった。創立時の取締役は永田雅一、波多野敬三、六車修、河合竜斎、藤野直実、鶴田孫兵衛、藤田平二、蘇我正史、林弘高、真鍋八千代、加賀二郎、免太静太郎の諸氏であったが、経営、製作などのあらゆる面において、社長を置かなかった大映における中心的な存在は永田氏にほかならなかった。

この大映の創立第一回作品が「維新の曲」である。
シナリオは八尋不二氏、阪東妻三郎、片岡千恵蔵、市川右太衛門、嵐寛寿郎、つい先ごろまで一国一城の主であった、いわゆる時代劇の四大スタアの共演作品であった。

この年の二月中旬、シナリオは八尋不二氏の手によって完成された。坂本龍馬(妻三郎)、桂小五郎(右太衛門)、西郷隆盛(千恵蔵)、など、幕末の風雲児の活躍を主軸として、将軍慶喜(寛寿郎)の大政奉還にいたる明治維新史の裏面を描いたものであった。シナリオは完成し、いちおう準備は整っても、困ったことに、なかなか四大スタアの顔がそろわない。すでに、封切は五月初旬と決定されていたことだし、監督を担当する私は気が気ではなかった。

しかし、やがて四大スタアの顔がそろう日がやってきた。その夜の木屋町二条の料亭はにわかに華やぎ、先斗町の名妓や舞妓さんたちもうきうきしていたし、第一撮影所次長の高橋吾郎さん(故人)も安堵の胸をなでおろしたようであった。

つい先ごろまで、各自の名前を冠したプロダクションの盟主であった四大スタアは、お互いがきびしい競争の相手であったばかりでなく、一国一城の主としての誇り高き人々、むろん、この四人の大スタアの中では、阪東妻三郎さんが一番先輩であって、他の三人はいずれも、芝居道で育った方たちであるだけに、劇場前の庵看板や絵看板の並べ方の順序、かきだし(座頭につぐ立役で筆頭にその名があげられる)、にまいめ(若い色男役、庵や絵看板の二枚目にその名前や絵があがる)、さんまいめ(同上、三枚目ににその名前や絵姿)、なかじゅく(庵看板の中央部、座頭の相手役、一座の女方(おやま)の最高地位の俳優)、とめ(同上の最後、座頭の名前や絵姿)などという永年の芝居道の不文律から来た監修が映画界にも、いつとはなしにうけつがれていて、そうした仕来りに無関心であり得る人々ではなかったようである。こうしたことは現在でも、映画のクレディット・タイトルやポスタアの名前の字の大きさ、小ささ、その配列などにも、名残りをとどめているようで、日本の映画界では不思議なことではないのかもしれない。 

(つづく)
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プロフィール

牛原 陽彦(うしはら はるひこ)

Author:牛原 陽彦(うしはら はるひこ)
◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  

父 牛原陽一(うしはら よういち、Youichi USHIHARA)監督が亡くなって33年、祖父 牛原虚彦(うしはら きよひこ、Kiyohiko USHIHARA)監督が亡くなって25年、多くの情報があふれる中、2人について正しく伝える媒体が少ないのが現状です。

私、牛原陽彦が、祖父、父より引き継いだ資料、書物、当時の新聞などをベースに、2人の仕事、活動を正しく記録すべく、当ブログを開きました。膨大な資料から、作品、活動を振り返ります

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