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「怪猫謎の三味線」(新興キネマ京都撮影所)のDVD化

牛原虚彦監督の昭和13年(1938年)の作品
「怪猫謎の三味線」(新興キネマ京都撮影所)のDVD化のお知らせ。

今回のDVD化は、あの森光子さんの若かりし頃(ティーンエイジャー!)の作品・・・というくくりでの再発売です。

オカルト的なタイトルですが、下の引用にもあるように、製作面では技術的なチャレンジを試みた意欲的な作品です。

<怪猫 謎の三味線>
脚色:波多謙三 撮影:高橋武則
出演:鈴木澄子 歌川絹枝 高山弘子 浅香新八郎 森静子 森光子 

DVD怪猫 謎の三味線パッケージ2014


牛原虚彦と主演の鈴木澄子さんとは、この「怪猫謎の三味線」が、前作「旗本伝法」(市川歌右衛門・鈴木澄子主演/新興キネマ京都撮影所)に続いて2作目。このころすでに石田民三監督の秀作「おせん」の好演で当時、忘れがたい印象の女優さんだったようです。

「世間からは”化け猫女優”などと簡単にかたづけられてしまった感があるが、この人ほど女優らしい女優・・・女役者といったほうがいいかもしれない・・・は滅多にあるものではないと思う」

さらに、「虚彦映画譜50年」には、主演、鈴木澄子さんについて、以下のような記述があります。

「これほど役者の性根に徹した女優は、めったにいないということである。(略)どんな役であろうとも、引き受けたかぎり、身体全体でそれを受け止め、全力をあげて表現しようと、ほとんど体当たりを感じさせる旺盛な意欲を見せる。(略)何事にも自分でもなっとくゆくまでやりとげなくては気のすまぬ彼女は、化粧にもたいへんひまどった。(略)彼女は化粧に2時間も費やして、なおも満足できないふうであった。私もたまりかねて、あなたは他の人より化粧に時間がかかるので、撮影開始時間にはセット入りができるように少し早出をしてほしいと申し入れた。(略)徹夜作業で、ラッシュの編集をしていたある朝、午前6時ころ、ふと見ると鈴木澄子さんの化粧部屋に灯がついている。そっと人知れずうかがって見ると、彼女は懸命に化粧をはじめている。撮影時間は午前9時。そのころ、彼女は新興キネマで大スタアの一人だったのである」

また、製作について、次のようなことも述べています。

「怪猫謎の三味線という映画は、当時新興キネマが売り物にした「狸」「猫ばけ」ものの一種である。私は、この映画の演出が私にまわって来たとき、ある種の条件をつけてこれをひきうけた。その条件とは、狸ものや、猫ばけものを、一種のシリイズものとして製作してゆくかぎり、そうした映画が当然必要とするトリック撮影用の設備や、録音機構を充実しなけらばならないというものであった。前者のためには、フランス製の魚眼アタッチメント、その他、後者のためには、録音の加瀬久士氏と協力して、多マイクロフォン方式による録音実験を試みて、かなりの成果をあげたのであった。現在では全く常識となってしまったこうした方法も、単一マイクロフォンで一切を処理し、あとはすべてを、まだ不完全だったダビングに依存するという方法しかなかった当時としては、これとて、新しい実験のひとつだったわけである。この映画の重要な場面に、日本舞踊の舞台があり、その場面と客席は、祇園の歌舞練場で撮影録音された。その歌舞練場で私たちは、地の唄、三味線、台詞、雰囲気音を分離して同時に録音する実験を敢行したのであった」
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プロフィール

牛原 陽彦(うしはら はるひこ)

Author:牛原 陽彦(うしはら はるひこ)
◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  

父 牛原陽一(うしはら よういち、Youichi USHIHARA)監督が亡くなって33年、祖父 牛原虚彦(うしはら きよひこ、Kiyohiko USHIHARA)監督が亡くなって25年、多くの情報があふれる中、2人について正しく伝える媒体が少ないのが現状です。

私、牛原陽彦が、祖父、父より引き継いだ資料、書物、当時の新聞などをベースに、2人の仕事、活動を正しく記録すべく、当ブログを開きました。膨大な資料から、作品、活動を振り返ります

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