FC2ブログ

四大スター競演 大映創立第一回作品 「維新の曲」  2

「大映」創立70周年
創立記念第一回作品は 牛原虚彦監督作品 「維新の曲」・・・・<2>

維新の曲四大スターと虚彦監督



前回に続いて、以下は「虚彦映画譜50年」(1967年刊)からの抜粋。
「大映」誕生の背景から創立記念作品「維新の曲」が生まれる背景が記されている。


さて、四人の大スタアが一堂に会するとなると、その席の順序も大変である。高橋次長や松山企画部長(現大映専務)、東路宣伝課長などがそのことにいかに心を砕いていたか、今でも私は、その情景をありありと思い浮かべることができる。

京都のことであって見れば、美妓たちも、こうした大スタアにあうことはめずらしいことではあるまい。しかし、今日はその四大スタアたちが彼女たちの前に全部居ならんでいる。気のせいか、いつも無邪気に、陽気な舞妓たちさえも少々、よそゆきの気がする。

そこで、千恵蔵さんが、静かに発言する。
「僕あ、このごろ。お茶をはじめたんです。これをやっていると知らずしらずのうちに無心無我の境地にはいれて、全くなんともいえませんな。妻三郎さん、やってますか」

妻三郎さんが、馴染みふかい嗄れた口調で答える。
「お茶ですか。お茶にゃ、うるさい行儀があるようですが、僕にゃそんな面倒くさいことはできません。がぶがぶのむんですよ。それでも、お茶はうまいですなあ」

千恵蔵さんが
「右太さん、どうです」
「ええ、やったり、やらなかったりですな」

ここで嵐寛寿郎さんが、千恵蔵さんの呼びかけに、むっつりだったとすれば、おあつらえむきであろうが、どうも現在の私には、そのへんが、ハッキリ記憶に残っていない。つまらぬことを書き記しているようだが、私には、この会話ほど、この大スタアたちの風貌をあらわに示しているものはないような気がして、いまもなお忘れ難い思い出となっているのである。

各プロダクションに、その固有の伝統や慣習があったように、各社にも、それぞれの特性や仕来りがあったわけである。いま日活、新興、大都の三社が合併、互いにその短をすて、長をとって、新しい大映のために打って一丸となるというのが理想であるが、その理想実現のためには種々の困難がともなった。ただ映画臨戦体制下、幾多の困難と闘いながら、四大スタアが全力をあげて大映創立第一回作品ととっくんでくれた貴重な事実は、監督を担当した私のいつまでも忘れぬことができぬ感激である。

(つづく)


大映70周年特集上映
38本の代表作の上映が決定


大映70周年特集上映
2012年11月23日(金)~12月21日(金)
於:角川シネマ有楽町

「維新の曲」は、記念すべき第一回作品として「特別プログラム」枠で、12月20日、21日に上映される。

上映日程などの詳細は下記リンクを。

http://www.daiei70th.jp/schedule.html
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

牛原 陽彦(うしはら はるひこ)

Author:牛原 陽彦(うしはら はるひこ)
◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  

父 牛原陽一(うしはら よういち、Youichi USHIHARA)監督が亡くなって33年、祖父 牛原虚彦(うしはら きよひこ、Kiyohiko USHIHARA)監督が亡くなって25年、多くの情報があふれる中、2人について正しく伝える媒体が少ないのが現状です。

私、牛原陽彦が、祖父、父より引き継いだ資料、書物、当時の新聞などをベースに、2人の仕事、活動を正しく記録すべく、当ブログを開きました。膨大な資料から、作品、活動を振り返ります

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR